和む……。

しみじみと。

よつばと! 8 (電撃コミックス)

よつばと! 8 (電撃コミックス)

背景や人物の描き込みの凄い作家さんは数あれども、この方以上にシンプルに緻密で且つ和みの波動(何)を感じる描き手さまはそうはいらっさらないなあと、新刊が発売になる度に、そして頁を繰るごとに、読み返す程に感嘆。んでもって、顔は緩みっ放し。何がどう、と言ふのではないのですけれども、さらりと読み過ごした一読目からも少し丁寧に読み返す二読目、更にもうちょっとペースを落としての三読目、と回を重ねるごとに読むスピードがゆっくりになって、その度に新鮮な何かを見つけ出してしまうのです。今回は特に、その楽しみが長く続きそうで嬉しくって堪りませんです。台風の日に掃出しの窓に吹き付ける風雨の描写、線路沿いの道行、街中の田圃の刈り入れ風景、そして夏祭り。丁寧な描線が描き出すまろやかな事物の色彩や陰翳。対照的にシンプルな線で描き出される人物の豊かな表情変化……。じっくりとじんわりと噛み締めながら、心行くまで味わいたいと思いますです。