多分に此方の影響も大(えー)。

工作少年の日々 (集英社文庫)

工作少年の日々 (集英社文庫)

スカイ・クロラ』シリーズを中公文庫のオリジナル装丁で全巻揃え終わったので、二作目だったかの解説でよしもとばなばさんが言及していたこちらのエッセイを購入してみたり。こりが何ともまあ、面白くて溜まらんかった訳でして。モノを作る事に関しては大した経験を積んでいない自覚はある己ですが、そりでも幼い頃、年長の兄弟が父親と一緒に竹細工の水鉄砲や輪ゴム鉄砲、音だけ出る鉄砲、ゴム動力の割り箸飛行機やハンググライダーを休日の度に作っているのを指を咥えて見ているだけの悔しい思いを重ねたことは忘れておりませんでして(多分、年少だったのと読書の方が好きで一人遊びが好きだったことからそちら方面には興味無しと思い込まれていた模様。良くある親子間の不幸な誤解による断絶の構図でありますです/えーえー)。いつかはきっとと思い続ける内に父とは疎遠になったままおっきくなってしまって、今更そう言ふ事に夢中になるのはちょっと……己センス無いしなあと目を逸らす大人になってしまった訳ですが。電動ドライバー片手にちょっとした組み立て家具作ったりするのは相当好きである事に、電気屋勤めの頃気づき(什器組み立てやら売り場のレイアウト、配線、家具コーナーでは見本の組み立てなんかも、残業時間に嬉々としてやってました)、独り暮らしを始めてからは自分の為にそれをする機会を何処かで狙っていたのかなあと、今更ながらに思い知った次第。てことで、こちらの御本との出逢いが無ければ、この所の無印製品ブーム(笑)も無かったかも知れませぬ。勿論、パーツから何から自作する森氏とは雲泥の差である事は自覚しつつも、己が日常使う道具を己の手で組み立て上げる楽しみは、モノ作りに思いを馳せる場所から、そう遠くない地平に存在しているのぢゃないのかなあと思ったのです、はい。