切ない。

今日も今日とて止まらぬ咳を堪えつつ。
踏切事故にてダイヤ乱れきった中、電車に乗って。
開いた携帯の画面、某SNSニュースにて。
悲しい報せに触れました。


その作品を手に取ることは滅多に無くなりながらも。
折に触れ、その名を口に上せる機会は限りなく。
つい最近も、当たり前のやうに友人と。
己らの読書歴について語るその中で当然のやうに。
話題に上せた、その矢先でした。


人の世に、永遠は無いと分かってはいても。
己よりも先に生を受けた人なのだから。
いつかはといふ事も当然、分かってはいても。
余りにも、早いのぢゃないのかと。
余りにも、早過ぎたのぢゃないのかと。
己の如き、気侭な読者が語るを許される言葉では。
無いのかもしれませんが、それでも。
切ないです、悲しいです。


氷室冴子先生。
幼く偏狭だった、己の読み手としての世界は。
あの頃、あなたの作品に出逢う事で、間違いなく。
新しい広がりを得たのでした。
その幸せに、心から、感謝を。
本当に、本当に、ありがたう御座いました。
どうか、どうか、安らかに。
ご冥福を、心から、お祈り申し上げます。