ちょっと溜め込んでました。

ちゃんとした活字の本を読みたくて(何)。

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

ナ・バ・テア (中公文庫)

ナ・バ・テア (中公文庫)

何で今更、と自分でも思わないでも無かったのですが、映画化だかなんだかの噂を小耳に挟んだのと、この著者のシリーズものはやたらと長くて人が多くて、下手に手を出すとえらいことになりそうで怖かったのですがこりは一冊一冊の独立性が高そうだなあと粗筋を流し読みして思ったのとで手に取ることにした次第。てか、上記の通り、そろそろちゃんとした活字の本を時間を掛けて読みたい気分が高まってきた頃合にくだんの噂が耳に届いたタイミングの良さが一番の理由なのだと思われ。てか、この手の本を読み終えた後はいつものことなのですが、自分の書く文章が矢鱈目鱈と勢いがついて長々しいものになり易いです。何故?(訊くな)ともあれ、想像どおり、いえ、想像以上に淡々とした物語でございましたです。一冊目を拝読仕った時は、何とも言えない違和感と言ふか、胸に消えない染みを覚えるやうな、嗚呼、なんてものをこの人は世に問うてしまったのだらうか、と言ふ一種暗澹とした気分に苛まれたのです。特に、歳若い世代がこれからこの物語を手にした時、大丈夫なのだらうかと。そんな風に考えてしまった自分に対してもものっそい違和感を覚えたのも多分、染みが残ってしまった原因な気も致しますですが(苦笑)。それでも、何となく諦め切れなくて二冊目に手を出したのです。でもって出来るだけ何も考えず、何も予想せず、兎に角毎度何読んでも何見ても余計な考えをついつい捏ねるり返しそうになる己的脳味噌を弛緩させて。そんな風に思わせてくれて事実そんな風に最後まで読み終えることの出来る物語には己、もしかしたら初めて出逢ったのかも知れないとか思っているのですが、そうやって読み終えた二冊目の印象は当然、一冊目とは随分と異なるものでした。その訳は、文庫版に寄せられた、よしもとばななさんの解説に全て語られている気が致します。だから取敢えず、既に完結を迎えているのかどうかも未だに知らないし知ろうともしない空っぽで胡乱な状態のままに、三冊目以降にも手を出し続けたいとか決めていたり。勿論、全て文庫版で。最後まで辿り着けた時、己はまた最初から読み返すことが出来るでせうか、その時、いまこうして初めて読み終えたときのやうな心持ちでもう一度読み終えることが果たして出来るでせうか。何とも、興味深い物語と出逢ったものです。


おおきく振りかぶって(10) (アフタヌーンKC)

おおきく振りかぶって(10) (アフタヌーンKC)

田島、かっけー!(えー)後、最後のひとコマは某カプリング推奨派な方のご意見を是非に伺いたいと思わせるものでした。や、勿論、そんな胡乱な事ばかり考えていた訳ぢゃないですよ!つかモモカン相変らず勝負師やなあ……かっけー(結局其処?!)。てかね、あれこれ細かいことツッコむの勿体無いくらい、息を詰めて肩に力入れて読んでました。結果だけ見ればある意味どうでも良さげな試合と受け流されそうな内容、でも、この方の手になれば本当に、双方の選手、誰にとっても何一つ、無駄な事の無い試合で。その先に勝者だけではなく、敗北した彼ら一人ひとりの物語もまだまだ続くのだと。そんな、現実であれば当たり前な事を時折さり気なく、でも確りと見せてくれる在り方に、なんつーか、良いなあと。理屈抜きに、面白かったです。こりからも続き、楽しみにしておりますです。