思いついちゃったもんは仕方ない(何)。

3月のライオン』のあかりさんが素敵過ぎたのと。
己自身が焼き鳥屋さんで食べ過ぎ&飲み過ぎたのが原因です(何々)。
てーか、長いですよ!
久々に一気に長いの書いたですよ!
流石に読み辛いかもなので、3分割UPしてみますです。
つーか、例に拠ってアレです。
ななもゆかもいらっさいますが。
あくまで2.5次元ですから……!(脱兎/えー)
ちなみに時間軸は、A's→StS収録辺り?(ヲイコラ)


後、1時間半一気書きにて推敲はまた後日ぼちぼちと。
てか割と現在進行形でちょびちょびと(えーえー)。


んでもって今回は旧エンピツ雑記にて下書きしましたので。
そちらご存知な方は間違い探しをお楽しみ下s(SLB
※ついでながら2月29日、お教え頂いた情報に基づきちょこっと改訂(ヲイ)。
大筋は変わってませんので既読の方は更なる間違い探しをおt(蹴殴倒




タイトルは、「Your tenderness.」。
毎度の事ながら色気も事件も何も無い小話です。


お読み下さいます方は。
続きから、どぞ(平伏)。








悔しいと。
好きは。
ちょっと、似ている。
かも、しれない。








Your tenderness. 1










大好きな焼鳥沢山食べられたから、ちょっとうかれちゃったのかな。
コンディション悪い時にこの手のちゃんぽん飲みにはマズイって。
分かっていたのに、周りに勧められてうっかり飲んでしまった。
フレッシュフルーツたっぷりだしそんなに度数高くないよ、なんて。
確かに口当たり良かったし美味しかったけど。
皆と別れてタクシーに乗り込む時にはちょっとふらふらだった。


「ゆかりさん、大丈夫です?」


ふあ、とあくびを噛み殺した瞬間に、隣に座っているあの子が声を掛けてきた。
帰る方向が近いからって、一緒に乗り込んでくれた。
私よりも年下なのに、随分と気が回るし、私よりもずっとサイズミニなのに、バイタリティの固まりみたいなあの子。
そんでもって、かなりの心配性と見た。


「だーいじょーぶだよー」


へらり、と笑って見せたのに、眉間に小さな皺が寄る。
同じシリーズで主役分け合って、結構長い付き合いになるのかな。だから、その間に色んな表情を見てきたけれども。思えばこんな風に二人っきりで過ごす事は意外と少なかった気がする。


「ゆかりさん、最近お酒弱いんですね……」


困ったような、心配そうな声と表情。あ、今のちょっと、役の雰囲気に近かったな、なんて。


「うんー。てか、奈々ちゃんは相変らず強いよねー」
「え? や、私は今日はそんなには飲んでませんし」


うろたえたように否定したけど、実は結構色んな人に勧められて色んなお酒飲ませて貰っていたのはちゃんとチェック済み。でも、ちっちゃいのに、私よりも若いのに、一見子どもっぽい言動とは裏腹に、どんな場面でもちゃんと人様のこと気遣えてたりして。
なんか、悔しい。
けどまあ、私には無理だからね。
出来ないものは出来ないんだからね。


「あ、っと。次の交差点で私降りますー」


見覚えある街角に差し掛かったから手をひらひらさせて運転手さんに合図。それから、バッグを探ってお財布を取り出す。


「あ、えっと、私も降ります、から」


え?と思う間も無く、あの子も膨れ上がったでも可愛いデザインのバッグをがさごそし出す。そうこうする内にタクシーは停車灯を点滅させて路肩に静かに停車してしまった。


「――円です」
「あ、領収書お願いします」


てきぱき、という擬音が聞こえてきそうな位手際良く、あの子がお札を出して、お釣りと領収書を受け取る。


「ゆかりさん、行きますよ」


開いたドアから少し肌寒い風が吹き込んで、街頭が逆光になってあの子の表情を暗く閉ざして。
思わず首を竦めながら、差し出された掌を取っていた。




思ったよりももしかして、大丈夫じゃなかったのかもしれない。
送ります、なんて言って肩を貸してくれたあの子を振り解けないまま、おうちまで辿り着く。鞄から鍵を取り出すのにも苦労していたら、あの子は「すみません」なんて謝りながら代わりに鞄の中を探って鍵を見つけ出してくれた。有難うも言えないまま、ドアを開け、薄暗い部屋を見通せる玄関に足を踏み入れる。


「あの、それじゃあ、私はこれで」


律儀に視線を逸らすようにして佇んでいたあの子が、一礼して踵を返す。


「え?何?帰っちゃうの?」


何でそんな事口走ったのかなんて分からない。
気が付いたら、あの子のジャケットの裾を引っ掴んでいた。


「……あ、あの……?」


振り返ったあの子は、少し困ったような顔で。


「あのね、奈々ちゃん、ゆかりとそんなにご近所さんじゃなかったよね?」


急いで言葉を探す。勿論中身はあてずっぽうと言うか、思いつきだった。けれども、その瞬間、何だかあの子は酷く慌てた顔になった。


「あ、いえ、大丈夫です。このあたりからならちゃんと帰れますから」
「今からタクシー掴まえるの? 結構大変じゃない」


何を焦っているのか自分でも分からないまま、掴まえた裾を引く。


「ゆかり、明日オフだから、遠慮しないでも良いよ?」
「はい?」


何て言うんだっけ、こんな表情の事。鳩が豆、だっけ。豆が鳩だっけ。どっちでも良いかこの際。


「奈々ちゃんさえ良かったら、うちに泊まってけば」
「……………っ!」


あ、鳩が赤くなった。