延滞してしまった本を返却して別の書籍を更に借りる胡乱(何)。
文庫でも出ているやうですが、己が借りたのはハードカヴァー版です。今日借りてきてまだ「
小泉八雲…一椀に白魚の泣き声を聞く」と「
坪内逍遥…牛鍋は不良の始まり」辺りに至った所なのですが、なんつーか、凄い。一読、出てくる食べ物に対する食欲がいたく刺激されるのは勿論、そのエピソード一つ一つが出典と共に紹介されていく様に、読書欲をも更に掻き立てられてしまうのです。日本の食習慣
採録であると共に、優れた書評にもなっていると言ふ素敵さに暫し呆然。逍遥先生の著作は恥ずかしながら
シェイクスピアの翻訳しか存じ上げなかった己、今度はちゃんと真面目に小説や書評も読むべしと反省。反省だけに終りそうな予感大ですが(ヲイコラ)。後、抜き読みした「
南方熊楠…山奥の怪人は何を食うか」には先日訪れたばかりの白浜は
南方熊楠記念館についての記述があり、著者の嵐山先生が「腰をぬかした」と書中で評する『和漢三才図絵』と『
本草綱目』の筆写本の実物を目の当たりにした喜びに改めて浸りつつ、少しく嬉しくなりましたです。ただ「反芻の人」に至るくだりは、弱い人は食事中には読まぬが吉かもしれないなあと、やわらか
イカフライでチリワインを一杯引っ掛けながら読み終えた己は思った次第(笑)。