邪魅の雫 (講談社ノベルス)

邪魅の雫 (講談社ノベルス)

相変わらず殺人的な分厚さを誇りますこのシリーズですが。前回何処まで進んだものやら、でもって、関連性あるらしいその他のシリーズもはてどんなお話やったか思い出せない状態でとにかく読み始めてみましたです(ヲイ)。てか、この方のこの「妖怪シリーズ」、推理だとか事件だとかに拘る読み方を己は当初から投げ捨てておりまして。めくるめく衒学なんだか薀蓄なんだか小理屈屁理屈力技的なあれこれだかに翻弄され頷かされ、でもって、その頷いた顎を仰け反らされ、を繰り返す事自体をほへーと楽しみたい、と。ついでに、何やら己の精神安定に役に立ちそうな道理や理屈を都合よくテケトーに摘み食いさせて頂きたい、そんなスタンスなのですよね、と今回も一人でのほのほと決め込みつつ。でもまだ167頁までしか読み進んでませんですはい。ちなみに(了)が付くのは817頁目……嗚呼、道のりは遠いです(笑)。で、167頁までしか読み進んでない己と致しましては、148頁辺りから始まる「書評論」みたいなものが大変に興味深く、且つ、己の精神安定の為の小理屈部屋行き決定な論旨が非常に有難く。曰く、「良い評論は良い読み物」「評論は作品あっての二次創作物」。異論反論醸し出しそうですが、己個人としてはこの辺りの京極堂さんの長舌弁、そりこそ、「大変面白い読み物である」なあと感じ入りつつ拝読仕った次第です。てか、ホンマに本筋そっちのけな読み方にて、相すみませんです(笑)。