梨木香歩さんの物語にはいつも、異なる価値観を持つ人の緩やかな共感みたいなものを感じていました。分からないものは分からないままで、それでも、認め合うことや共生し合う事は可能なのだと、そういふメッセージが、その作品のメインテーマではなくても、必ず描かれていたやうな気がしていました。それが、梨木さんご自身のど真ん中に確りと根を張ったテーマである事を、勝手ながらこの一冊を拝読して感じ取った次第。ともあれ、もっともっと、読まれて欲しい一冊だと思いましたです。ええ、図書館で借りてでも(ヲイ)。文庫落ちしたら、必ず、買います。そうして、ずっと手元に置いて折に触れ、思い出し、読み返したいと思いますです。しかし、美味しそうなんですよね…出てくる食べ物がどれもこれも(マテ)。胡桃とクリームチーズのロールパンはいずれ、試してみたいと思いますです。己だったら、ブルーベリージャムを色づけだけには使わないで、多い目に入れて甘くしちゃうと思いますですが(笑)。