何となく呼ばれた気がして。

百鬼園随筆 (新潮文庫)

百鬼園随筆 (新潮文庫)

先日、職場近くにある古書取り扱いの店を何の気なしにうろついていて、250円の台で発見。何となく手に取り開いた頁が「本を読むのが段段面倒くさくなったから、なるべく読まないようにする。」で始まる「風呂敷包」で。一度台に戻した後でやっぱり気になって再び開いた頁が、小豆洗いの狸に化かされそうになったと言ふ思い出を描いた「風の神」だったものですから、うっかり買ってしまいました。お陰さまでその日の所持金は残り120円を切ってしまったと言ふオチまでついたのですが(え)そりは兎も角。淡々と何と言ふ技巧も何も見当たらなさげにシンプルでなのに何処かごつごつとした手触りを感じる、百けん(門構えに月)先生の随筆集。未だ60頁も超え得ない辺りまでしか読み終えてないのですが、何だかもぞもぞとした心地になってきて、ふと巻末を開いたら何と解説者は川上弘美さんでした。やっぱり、呼ばれた気がします……が中々、一気に読み終える、とはいかなさそうな一冊です。出勤途上に一編、昼食がてらに一編、そして帰宅後PCが立ち上がるまでに一編、そんな風にちまちまと読み進めてみたいと思いますです。