ぽちぽちと。
日参サイトさまにて連載中の大作「菫の花咲く頃」を読み返しつつ。
61回目の夏にまた、心を傾けてみたり。
知らない事、知る事、忘れない事、祈る事。
自分自身の実体験に無い事ではあっても。
未来に起こり得る、でも、起きて欲しくは無い事について考える事は。
決して無駄には為らないと信じていたい己です。
台風の影響でか少し多めに流れ出した雲の。
切れ間から覗く空はやはり、とても青く遠く高く。
静かな蝉の声も何処か物悲しい。そんな8月9日です。




さて。
そんな物悲しい話題の後で何ですが。
両手親指の先を負傷しました(え)。
何をしてそうなったかってーと、今日の朝御飯は。
久々のお素麺だったのですが、ええ、冷たい奴。
台所の流し付近にごろっと常温で転がしていた生姜を摩り下ろして。
刻み九条葱をどっさりと放り込んだ生協の素麺つゆ(ストレート)で。
むはむはと頂いたのは良かったのですが。
その後のお片づけの時に、ええ、薬味用すり卸し金(ちっさいの)の。
隙間に詰まった生姜っ切れをはがすのにですね。
何を考えたのか。
素手の親指でトンガリ金具の間を撫でると言ふ暴挙に……(伏し目)。
ホントに、何を考えていたのやら。
殆どの傷は表皮を撫でただけのかすり傷だったのですが。
左に一本、右に一本。
ちょっと水に浸しただけでぐぎぃぃぃい!言ふ位。
滲みるレベルの傷を負ってしまいました。
そりもご丁寧に、丁度何かの拍子に。
そう、モノ取ったり触ったりの時に触れる辺りなのです。
しかも左指の傷には直ぐに気付いて。
オロナイン軟膏塗って(タイガーバームは何故か行方不明中)。
絆創膏貼っていざ出勤したのですが。
右指の傷に気付いたのが、出勤途上。
ねぐらから階下に下りるエレベーターに乗ってから(え)。
どうやら、左の痛みに気を取られて。
そりまで気付けなかった模様(えー)。
仕方が無いので、服を汚さないやうに舐め舐めし(不衛生です)。
エレベーターを降りた頃には血は止まっていたので安心。
でも其処から職場までじくじくして大層切なかったです……。


人間、ぼんやりしていると。
何を仕出かすか分からんっつーか。
己ってホント、疲れてると何仕出かすか分からんっつーか。
なんてったってその昔。
弾詰まり起こしたエアガンを掃除し終えた後で。
マガジン装着しなおしたそいつの銃口を。
自分の左掌に当てて引き金引いて。
そりゃあもう、飛び回る位のエライ目にあった奴ですんで……(マテ)。


そりは兎も角。
そんな己の両の親指の切り傷ですが。
手当ての甲斐あってか、痛い事は痛いものの。
洗い物その他するのに支障来す程では既になくなりましたですが。
ぴりぴりっつーかひりひりする冷たい傷の感触は。
なかなか引きそうも御座いませんです。
こんな小さな傷ですら、これだけ尾を引き痛むのですから。
降りかかる火の粉に、銃撃に、空を焼く業火に。
身を焼かれ引き裂かれ失った方たちの痛みたるや。
想像を絶するとしか言ひやうもない己です。
生まれてこの方、大きな怪我一つした事ないだけに尚更。
その痛みや苦しみや悲しみは本当に。
こんな小さな傷口を糸口に思いを致す事しか出来ないのですが。
そりでも、己の思考力の許す限り。
あの戦いの中で、そして今なお何処かで続く戦いの中で。
身を焼かれ裂かれ失った、そして失いつつある方たちの痛みを。
想像するという事を、忘れないで居たいと心から、思うのです。