この一枚を聴くと確かに時折、無性に泣きたくなったり切なくなったり。但し、その切なさは、この悲しみや寂しさが単純な、何かの条件反射によって溢れ出てくるものでしかなく、そりが己自身の本当の心の作用の思い出に裏づけされたものなのかどうかに対しては全く自信が持てない事実そのものに拠るものなのかもしれない、等と思ってみたりもするのです。だから時折、世間一般の常識とか標準モデルとかに照らし合わせて己の心の中にはどれだけ欠けた部分が存在するのかを確かめてみたくなるのです。ええ、そんなことには何の意味も意義もないと分かってはいるのですけれども……。